ある村に、負けず嫌いのある男と負けず嫌いのある女がおったそうな。
この男、男の中で一番の負けず嫌いとさぞ有名であった。
この女、女の中で一番の負けず嫌いとさぞ有名であった。
村の衆は、どちらが一番かを決めようと思い、まずお互いを会わせる事にした。
すると、この男、この女に大層惚れ込んだ。
そして、この女も、この男に大層惚れ込んだ。
二人は愛し合い、結婚する事となった。
村の衆はこれを利用してやろうとある事を持ち掛けた。
それは、愛が冷めた方の負け、つまり愛し続けた方が村一番の負けず嫌いだとするという内容の勝負であった。
この当時、この村では離婚は至って日常的に行われており、人生の最初から最後までをたった一人と寄り添う者は一割にも満たなかったという。
お互い、勝負を意識しつつ、幸せな結婚生活が始まった。
1年、5年、10年・・・と時が流れるにつれ、お互いに愛が冷めない事を知った二人は、二人の中だけである事を決めた。
それは、より相手を愛した方が勝ちというものであった。
お互い、勝負を意識しつつ、幸せな結婚生活は続いた。
1年、5年、10年・・・と時は流れ続け、決して勝負が決まる事はなかった。
負けず嫌いな二人は、お互いに、より深く愛そうと努め、より強く愛されていった。
こうしてこの二人、いつまでもお互いを深く愛し合い、いつまでもいつまでも幸せに暮らしたとさ…