塾の帰り、閑静とした住宅街をとぼとぼと歩く。 上を見上げると紺色の夜空が広がっていて、星たちが煌々と輝いている。 紺色の夜空を一筋の光が、さまよい流れて、闇の中に一本の線を描く。 僕にはその光が今にも死にそうで、徐々に薄れていくのがすぐに分かった。 僕はとっさに目をつむり、手のひらを合わせて、願い事を唱えた。 「あの光を助けてください」 「あの光を助けてください」 「あの光を助けてください」 ゆっくりとまぶたを持ち上げて夜空を仰ぐと、勿論そこにはもう・・・いない。 ひどくがっかりし、深いため息をつき、帰り道をとぼとぼ歩き始めると、僕の背中を押すかのように風がそっと通り抜けた。 その風がなんだか気になって、行き先をおぼろげに辿ると、そこにはついさっき見たばかりの夜空が広がっている。 紺色の夜空には、相変わらず流れない光の粒が沢山散りばめられていた。 何か先ほどと違う気がする。 僕は光の粒たちが何かを伝えたそうに、先ほどよりも強く、きらきらと輝いているような気がした。