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バージン

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帰り道を変えてみた


いつもより遠回りをして
突っ切れない住宅街の中をゆく

ただそれだけなのに
嬉しそうに胸が昂ぶる

誰もいない
人の気配も全くない
寂しい静かな泣かない夜道

どうもお初お目にかかります

微笑みもせず
追い払いもせず
他を気にも留めない


いつもより遠回りをして
突っ切れない君の中をゆく

時に行き止まり
時に迷子になりそうでも
感覚だけを頼りに
ひたすら進んでゆく

まるで出口のない迷路に
足を踏み入れたみたいだ

最近やって来た君
身体はかなりツギハギだらけ
子どものお裁縫みたいに
無邪気で初心でデタラメだ

しーんと広がる静けさも
ぽうっと照らす電灯も
透明人間が遊んでいる公園も
私を案内する自転車も
全てがたまらなく新鮮で
でもどこか斬新で
深く黒く輝いている


いつもより遠回りをして
突っ切れない光の中をゆく

汚れ始めた二十歳とは違い
生まれたばかりの光
どこまでも澄んでいる

ほうほうと光を放つ各々の家
子どもという小さな暖炉を抱いて
ときたま静けさに似合わない
幸せを振り撒く


いつのまにか見覚えのある道に出る
君はマタオイデと小さな声で呟く
私はサヨウナラと心の中で噛み締める


キット マタ クル

君の中はまるで
別世界だった






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