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二人と拳銃

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君は突き付けた
僕の胸にそれを
生意気なそれを
色も知らぬそれを


確かに君は言った
弾は入っていない

それでも胸は高鳴った
弾は入っている


トリガーに掛けた細い指
不謹慎にも愛しく思う

僕らは幾度絡め合い
愛を深め合ったのだろう
そんなことをふと思い出す


薄笑いを浮かべる柔らかい唇
奪いたいと衝動に駆られる

僕らは何度口付けを交わし
互いの吐息を感じたのだろう
そんなことをふと思い出す


風が気の強い髪を撫でる
少し憎たらしい

今更ながらに気付かされる
僕だけのもののようで
そうではなかったのだと


僕しか映らないつぶらな瞳
ただただずっと見つめた

全てを見透かすかのように
深い黒をそれとなく纏っている
吸い込まれてしまいそう


僕は心の中で呟く

君に殺されるのなら
僕は本望だ
それでいい
その引き金を引…


引いた
君は引いた
躊躇いもなく引いた

君らしかった
より好きになった

敢えて今伝えたい
君を誰よりも愛していると


銃声が響き渡り
僕の頭の中を占拠した
人知れず哀しみながら

優しく抱き締めるように
赤子を抱き締めるように


意識を失った後も
それは木霊していた

僕が去った後も
それは木霊していた

ずうっと…
ずうっと…

ずうっと。






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