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林檎を見下す林檎

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スーパーマーケットの
棚に並べられた私たち
小さな世界で
勝つか負けるか
ギリギリの生存競争
繰り広げる

売れてゆくことが
此処では幸せとされ
選ばれることは
それつまり
他を見下して
優越感に浸れること
と 等しい

ある日 私もついに
その中から選出された
抱くは解放感
満ちるは幸せ
見下すは他の林檎たち

けれど 何でなんだろう
不思議と違和感があった
他の林檎たちを見下すことに

全然 幸せなんかではなくて
むしろ 他の林檎たちと
離れてゆくことを
とても寂しいものに感じた

もしかしたら
私たちの認識は
間違っていたのかもしれない

と 気付いたときには
もう手遅れだった

出来ることならば
元居た棚に戻って
真実を伝えたかったけれど
それは出来なかった

何故なら私は
レジに通されて
選んだ客に買われて
籠から出されて
袋に詰められて

スーパーマーケットを
二つ目の故郷を 出て
見知らぬ何処かへと
連れて行かれてしまったから






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