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さようなら

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林檎は男に食べられながら
自らの命の奪われゆく中で
嬉し過ぎて 泣いた
わんわん 声を荒らげて泣いた
遠慮なく 格好悪く泣いた
そんな事は構わなかった
この際 どうでもよかった

林檎は思ったのだった
出荷された他の林檎たちよりも
贅沢な人生を送れたのでは
そう思ったのだった

今まで抱かなかった感情が
次々と生まれ 膨らみ 満たし
その度に溢れ 零れた


そうして

林檎はとうとう
この世界から
消えて

いなくなった






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