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朝昼夕夜の永遠 (1.31KB)

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昼

海水を蒸留水で何十倍かに薄めて
僕は画用紙に空を描いた
筆の走りは洗練されて早く
無色透明の空は
瞬く間に
幾重にも
幾重にも重ねられていった

*

夕

すっかり日も傾いて
波の音が際立ち始めた頃合
僕は昼間に描いた空の上に
たった一人の恋人を描いた
水平線に沈む夕焼け
両レンズに映るままに
切り取り
同じ画用紙のど真ん中に
思い切って描いた

*

夜

胸を膨らますのは夜気の匂い
凛々しく響くのは鈴虫の声
誰かのついた溜め息のような風を浴びて
僕は画用紙を抱き締めている
古臭い星々の明かりに
静かに
心許なく照らされたまま

*

朝

眩しいと感じて目をこする
一晩
両腕に抱き留められていたらしい一枚の画用紙は
すっかりしわくちゃになっている
夕焼けは跡形もなく消えている
ずうっと抱き締めていたはずなのに
力を入れ続けていたはずなのに
どこか遠くへと行ってしまった

*

昼

恋人を失った画用紙は
何でもない薄水色
一色に染まり
あっけらかんとした表情で
夕焼けを心待ちにしている
僕も一緒になって待つ
寄り添い
待つ
背景では時間だけが
いつまでも酷く冷静に
流れることを止めないでいる

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