震える風が通り過ぎる
君の言の葉をさらうように
待ってと指でなぞらえる
思い込められた葉の先まで
葉は君のもとを離れても
色褪せることなく響くらしく
さらう風の心すらも奪い
さらに震えさせ 涙させた
(…好…き……)
季節は
過ぎゆく風のように
幾度となく
さようならを告げたけれど
君とは
この先もずうっと
添い遂げるまで
さようならは要らないから
風がさらってゆくから
途切れないでと呟けば
冷たい風が身に染みる
涙が自然に溢れて来て
胸をいっぱいに濡らしてゆく
そのたびに君の微笑みが
僕と風の心を乾かしたから
風は次第にさらうことを辞め
静かに運び続けていた
…好…き……
冬の風と
僕とは似ていて
冷え切った 寒がりの
寂しがり屋だった
一方 君は
心を紐解いて
温もりを教えてゆく
春のように思えた
僕らも春になりたかった
君の優しさはいつだって
僕にも風にも力を与えたから
僕らは今よりも強くなって
君を支えてゆくと誓った
そのために 遠い未来に
慈しめる優しさを
この手にし尽くして
僕らは春を
春に似た君を
必ず超えると
そう誓った
微笑む風が通り過ぎる
嬉し懐かしの春の匂いを
故郷の君のところへと
置き忘れてゆくかのように
風が僕らを祝福していた