春のうたは 菜の花の甘いにおいがして みつばちに刺された後みたいに ときに ちくちく 胸を痛ませる 雨のうたは 紫陽花のいろあい うすぼんやりな紫が 明日の天候を ひたすらに いのり続けている 夏のうたは 気がつけば いつも腕の中 みかけよりも ずうっと 頼りになる腕の中 秋のうたは 空間をうめてゆく パズルのよう 意識をして拾わないと 完成することのない あやうい世界 冬のうたは 純粋にきらめく 一粒のなみだ かじかんだ指先と あかみをおびた鼻とに そっと 唇をおしあてる