トップ手引き私紹介日記帳作品集リンク連絡箱

ライン (4.75KB)

第二牡丹 (0.75KB)

ライン (4.75KB)
濃紺のブレザー
染み付いたきらきらの汗
生暖かい涙
開花した花

第二牡丹が咲いている
健やかなる思春の象徴として
初心の照れくさい色も残したまま
ぽってりとした花びらを開け放っている



僕はこの第二牡丹を君に手渡したかった
本当は君の持っているのが欲しかったけれど
叶えるだけの力は持ち合わせていなかった
行き届かない思いに落ちる

その代わりとしては如何なものかとは思うけれど
何にも言わず一方的に押し付けたかった
牡丹をただ受け取って欲しかった
花びら一枚一枚に思いの丈すべてを託しきって
楽になってしまいたかった
この気持ちとおさらばしたかった
いっそのことを全てを忘れて
一から僕をやりなおしてもよかった
捨て去ってしまいたかった

なのに一握りの勇気だって
僕には抱けなかった
激しく小心者だったから
一定サイズ以上の勇気はしまいきれずにいた
結局ひたすらに憧れる他なかった



その罰として
僕は永劫とも言えそうな長い旅路を歩いた
それは今でもぼんやりと思い返すだけで
思わず胸と瞳とを無色透明の潤いによって
隙間なく塗りたくってしまうほどの

際限のない道程だった
今となっては感謝以外
決して抱けはしないのだけれど
それでも当時は
一筋の光だけを目隠し手探りで辿るような
頼る宛てのない終わりなき旅路だった
気がしてしまう



その旅路の果て
数年未来の現在においても
第二牡丹は赤々と
あの頃と変わらず
(今ではむしろ誇らしげに)
咲いている

青春も
遅春も越えて
ときに寒々とした冬さえ越えて
その年月の重みを確かめるように
色褪せない証
歴史を表現するように
して
咲いている



僕の部屋左奥
一番上右手の引き出しの中で
穏やかに強く
あくまでひっそりと控えめに
主張するように
して
第二牡丹は咲いている

一人では寂しかろうと
あの頃にともに千切(契)られた
中学時代から変わり映えのしない
第一牡丹とともに

拍手する - 管理人が嬉しく飛び跳ねます (288B) 感想を伝える - 管理人が喜び走り回ります (166B)

ライン (4.75KB)

作品集選択へ戻る

□ 最近の作品集 − 瑞々しく愛は

□ 全作品集 − それでも足跡は残るから

□ 恋愛作品集 − 愛しの人を想って

◆ 詩集 − 魅了された流れ星

◆ 2008年 − 海底のラブソファ

◆ 多 − 沢山は伝え切れない

◆ 梅 − どうしても文に残したいこと

ライン (4.75KB)

あたまてびきわたしにっきさくひんつながりてがみ

inserted by FC2 system