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セピア色を横切るとき (1.46KB)

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五月

夕刻

帰り道


道行く人
何かしらのあたたかな場所へと帰る人は
皆 似たような顔に見えたが
大きく区分けすると

疲れ知らずの充足感
満ち足りた笑顔と

セピア色の物足りなさ
郷愁を匂わせた表情のない顔とに

分類されるのが分かった


それで私は
一体どちらに含まれるのだろうと

ジュウゴド

首を傾げながら思う
疲れがどっと押し寄せる




いつだったろうか
私は何も知らないでいることを
許される子どもだった気がする
日々の仕事は
近くの公園を元気いっぱいに駆け回ること
むしろそれが全てだった気さえする

給料はワンコイン
それは今よりもずっと重みがあって
何十倍も価値があったはずなのに


いつからだったろうか
一枚の薄い紙切れの価値を
見失いそうになり始めたのは

本当はあの頃の何十倍
何百倍もの価値があるのだというのに
忘れそうになっている自分がいて
そんな自分に気付いてしまうたび
胸の中に海ができそうになる

恐らくそれは
大切な宝箱の鍵をなくしてしまうような
大き過ぎる喪失感と
どことなく似ている




時折

寄り道

帰り道


家の近くにある公園
あの懐かしい公園をそそくさと横切る
他人行儀で突っ切ってゆく

そうするといつも
何だか懐かしい音
響いた気がして

くるり

振り返る


色を失った遊具たちが
小さく震えているように見える
それで無性に
一心に切なくなる

今日を生きた音符たちも
風がさらってゆくように思えて
思わず何かを
言い零してしまいそうになる




彼らは
明日を生きられるのだろうか
それとも
今日を繰り返すのだろうか

そんなどうしようもない
疑問を抱く

抱いては

私は
大人になりきれないでいる心と
かたすぎない未熟な胸とを
たまらずに
膨らませているのかもしれない

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