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雪の涙 〜mild〜 (1.02KB)

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彼女が泣いています
喜びに拉がれて泣いています
人はそれを嬉し泣きと言うらしいのですが
僕はその涙でさえ
心で痛く感じてしまうのです



彼女がまだ泣いています
無事に春が訪れたことに泣いています
まるでそうする以外の術が
何もないかのように泣いています
僕は少しだけ妬ましく感じます
彼女を泣かせる春という季節に
ついでに疎しましさも覚えます



彼女に触れてみます
触れた指先がかすかに震えます
春の暖かさが滲み出でます
美しいメッセージです
それを確かに受け取ります
胸の中にほわんと温もりが満ちます



彼女の最期を見届けます
責任を持って見届けます
そこには塩気のない綺麗な涙だけが残ります
先ほどよりも生にあたたかく
同時に人肌の本質的な冷たさを思わせます
何よりも飛び抜けて優しい
冷たいつめたい優しさです



それで小鳥が喉を潤します
優しさには自然と生き物が寄り付くのです
僕もその一人なのかもしれません
一羽の小鳥なのかもしれません
むしろそうであって欲しい気持ちが
強いのかもしれません



僕は小鳥が喉を潤すのを見て
大変に羨ましくなります
すぐさま彼女のように泣いてみます
彼女の真似をして泣いてみます
ですが僕がいくら泣いてみたところで
流した涙はやはりしょっぱいのです
小鳥もやってきてはくれません
何を試みてみたところで
優しくはなり切れないのです



すると君が傍にやって来て
泣いているの と訊くのです
頑張ったね と背中をさするのです
綺麗だね と指でしずくを拭うのです
美しい と目尻にキスをするのです



僕はとても居た堪れなくなって
またしても涙を流します
今度は心からの涙を流します
まことの涙を流します

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