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雨は雨 (0.82KB)

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雨は雨として
雨はあくまで
雨のように降り続く

雨は一度
雨のままではいけないと思い至り
雨を辞めようと思ったことがあった
雨を降らせるのはすごく疲れる
雨は何よりも大勢から好かれたかった
雨は孤独が嫌だったし
雨は温もりが欲しかった

雨は必死で他の生き方を模索した
雨漏り御免の修理屋さん
雨蛙合唱団の指揮者さん
雨ガム工場のアルバイター
雨々降れ〃のお母さん
雨宿りタクシーの運転手
雨傘占いの人生相談

雨はしかしどうしても
雨以外の自分を想像できなかった
雨以外の自分は受け入れることができなかった
雨は雨でいたかった
雨以外に憧れていたわけではなく
雨のまま深くふかく愛されたかった
雨は雨以外の何者でもなく
雨は雨でしかなく
雨は健やかなる雨として
雨でありたかった

雨は雨として降り止むそのときまで
雨だと高らかに歌うことで
雨ゆえの存在を主張しようとしたが
雨の声などに誰も耳を貸そうとはしなかった
雨の声は人々の耳には不愉快に響き
雨は後ろ指を差された

雨はそれでも歌い続けて
雨はごく一部のものにだけ好かれたが
雨はとうとう疲れ果てて
雨は砕けていった

雨が砕けると人々はそれを虹と呼んだが
雨はそれを雨と呼びたかった
雨はやはり深くふかく愛されたかったし
雨は最後の最期まで
雨であることを貫き通したかった

雨はそうしていなくなった

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