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失恋 (0.6KB)

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あたしはその日帰らなかった

夕焼けの輪郭がじりじりと音を立てて燃え
安物の線香花火みたいに
強情に
その場に踏みとどまろうとしている
夕焼けはあたし
必死の恋だった
毎日
あなたが発した何でもない言葉を持ち帰り
胸の中で転がした
あなたの仕草の一つ一つを思い出した
寝る前にはあなたの名前を呟いた
夕焼けとふたりぼっち
あたしとふたりぼっち
下を向いたら負け
あたしを見つめる
ひたすらに
実らなくても後悔しない
泣かない
そう決めたのに
ふいに泣きそうになる
胸壁から漏れ出す海水を
ぐっと押さえつける
それでも
懸命に踏みとどまっていた夕焼けも
しまいには落下していく
あたしも
落下していく
あなたから一歩
また一歩
遠のくたびに
寄り添うように
夜も色濃く
落下する
わずかばかり
あたしが救われていく
浮かび上がっていく
誰からも遠のいていく
精一杯の恋だった

あたしはその日帰らなかった

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